配 給:タッチストーン・ピクチャーズ(米国)
    ウォルト・ディズニー・ピクチャーズ(日本)

監 督:ショーン・レヴィ

出演者:
ヒュー・ジャックマン

公開日:2011年10月7日(米国)2011年12月9日(日本)

個人的評価★★★☆☆ (3.5)

・ストーリー

2020年。人間のボクシングに代わり、リング上でロボット同士を戦わせる「ロボット格闘技」が人気を博していた。

人間のボクシングが廃れたことで、かつては将来を有望視されていたプロボクサーのチャーリー・ケントン(ヒュー・ジャックマン)も、今では中古のロボットを操るプレイヤーとして働いていた。

ある日、昔別れた妻が亡くなったという連絡が入る。残された息子のマックスの養育権について、妻の姉であるデブラとマーヴィン夫妻と話し合いをすることとなる。

するとチャーリーは、借金を返すためにマーヴィンに10万ドルで息子を渡すと持ちかける。マーヴィンは「旅行に行く3ヶ月の間、マックスを預かってもらう」という条件付きで承諾したのだが…。

・私の評価

この作品を観る動機となったのは、私が無類の「ヒュー・ジャックマン フリーク」である事と、「SF物好き」である事だけ。作品自体の前評価としては、「ロボット格闘技」がメインという響きから、内容が薄い三流映画だと軽くみて観賞に挑んだのです。

しかも、主人公であるチャーリー(ヒュー・ジャックマン)は現役時代、ボクシング界で頂点まで上り詰めるところまで勝ち続けたヒーローでありながらも、現在はロボット格闘技で連敗続きの落ちこぼれ。当然ながら金はなく、借金取りに追われる日々のダメ親父なキャラクター。映画「X-MEN」シリーズのウルヴァリン役で、私のハートを釘付けにしたヒーローの面影はありません。

ヒューって、映画「チャッピー」(2015年・米国)でもあまりパッとしない役どころだったんで、正直「普通の体格のいいオジサン」ってイメージに変わりつつあったんですよね(泣)。まぁ、「色んなキャラクターをこなせる演技派俳優」って意味では名優と言えるかも知れませんが。

しかし、前妻との間にできた息子・マックスを預かった辺りから物語の展開は変わっていきます。亡妻と息子とは半ば捨てるような形で別れたため、最初はまるで赤の他人のようにギクシャクとした関係です。片親育ちのマックスは年齢の割にしっかりとしていて、父親であるチャーリーは逆にいつまでも夢を諦めきれない子供じみた性格。互いの性格の違いも相まって、どこまでいっても打ち解ける事は無さそうでした。

ですが物語の中盤、息子・マックスがスクラップ置き場で旧型ロボット「アトム」を発見するシーンから、物語は一変します(お金が尽きてロボットも買えなくなってしまったんです(笑))。

「アトム」は旧式ゆえ操作性は低く、繊細な動きを記憶するにはプレイヤー自身の動きをコピーする必要があります。そこで元プロボクサーのチャーリーの出番。現役さながらのフットワークでボクシングをアトムに教え込む姿を見たマックスは、段々と父への印象が変わってくるのです。そしてクライマックス、最後の望みをかけて巨額の懸賞金が掛けられた試合へと挑むのですが、そこではチャーリーが咄嗟に繰り出した秘策が…。

…と、まぁこれから先は分かりやすい感動ものに仕上がっておりますが、私、泣きました。「離れていても、疎遠になっていても、最後はやっぱり”親子は親子”」なんだと。家族愛の映画ですね、これは。

これまで、いわゆる「ネタばれ」的な内容を含んだレビューとなってしまいましたが、それを踏まえた上でもこの映画は一見の価値あり。「SFもの」「感動もののヒューマン・ストーリー」「ヒュー・ジャックマン」が好きな方は、是非レンタルDVD屋さんに走ってください(笑)。