原  作:安部夜郎

監  督:松岡錠司 ほか

出  演:
小林薫

公開期間:2009年10月10日 – 2009年12月12日(第1部)(MBS)

個人的評価★★★★☆ (4.0)

・ストーリー

同作品のファンにはお馴染み「1日が終わり人々が家路へと急ぐ頃、俺の1日は始まる。メニューはこれだけ。あとは勝手に注文してくれりゃあ、できるもんなら作るよってのが俺の営業方針さ。営業時間は夜12時から朝7時頃まで…。人は「深夜食堂」って言ってるよ。客が来るかって? それが結構来るんだよ…。」という小林薫のナレーションから始まるヒューマン・ドラマ。

舞台は新宿・花園界隈の路地裏。深夜0時から朝方までしか営業していない小さな古びた昭和感満載の小料理屋「めしや」には、何かしら心にキズを抱えた常連客や一見客が、懐の深いマスター(小林薫)への相談や癒しを求めて今夜も訪れる…。

・私の評価

今回は映画ではなく、テレビドラマのレビューです。今回ご紹介する「深夜食堂」は劇場版も存在するのですが、テレビドラマ版は一話完結型で観やすい作品(それも1話あたり30分構成)となっているので、今回はこちらをご紹介。

この作品は、基本的に常連客で賑わう小料理屋「めしや」に、男女関係・家庭環境・仕事など、日常的な悩み(たまに非日常的な回もあります)を抱えた一見客がフラ~ッと現れ、いつのまにか周りの気のいい常連客やマスターに相談していくうちに解決したりしなかったり…という展開の流れになっています。

…と、こういう解説だと「ありきたりの人間ドラマ」って感じてしまうかも知れません(私の解説がヘタなだけです、ハイ(汗))。

ですが、毎回同様な流れで大きな転調や事件もない中にも、「見ず知らずの一見客に対しても親切に振舞う常連客」「もの静かながら人生の修羅場をくぐり抜けてきた包容力のあるマスター」とが悩みや心の闇を持つ一見客をやさしく包み込む様子は、観るものを「ホッコリ」とさせてくれます。

その「悩み」や「抱える問題」というのも、その殆どが決して大げさなものではなく誰もが抱え込む可能性があるもの。回によっては、視聴者自身のバックグラウンドと重ね合わせ「しんみり」となってしまう方も少なくないはずです。

私は「泣きたい気分」「しんみりしたい気持ち」の時にこの作品をセレクトしています(そして毎回うっすら泣いてしまいます)。

ストレス時代である現代。何事もない日でも、一日の終わりにこの「深夜食堂」を一本鑑賞して発散するのも宜しいかと思います。

追伸 その①:

作品のオープニングを飾る主題歌「思ひ出」(歌:鈴木常吉)も哀愁たっぷりで、物思いに耽る時に是非聴きたくなる良い一曲ですヨ^^。

追伸 その②:

劇中に登場する料理の数々も、決して豪華なものではないけれど作品を見終えた後は、きっと食べたくなるかもです^^