配 給:20世紀フォックス

監 督:ポール・フェイグ

出演者:
メリッサ・マッカーシー
ジェイソン・ステイサム
ローズ・バーン
ボビー・カナヴェイル
アリソン・ジャーニー
ジュード・ロウ

公開日:2015年6月5日(アメリカ)(日本未公開)

個人的評価★★★★☆ (4.0)

・ストーリー

CIAの優秀な分析官であるスーザン(メリッサ・マッカーシー)は仕事上のパートナーであり現場で情報収集する諜報部員ブラッドリー(ジュード・ロウ)を影から何度も救っている。

しかし東欧に隠された小型核爆弾を探すミッションのなかでブラッドリーは重要参考人を誤ってやってしまう。そこで殺してしまった参考人の娘なら情報を知っていると考えて、彼女の元にブラッドリーは向かうも、あっけなく見つかって殺されてしまう。

実はレイナというその女(ローズ・バーン)はトップエージェントの名前と顔を裏で入手しており彼女へのスパイ活動は現状では不可能という状況だったのだ。

これでは筋肉自慢のやり手諜報員のリック(ジェイソン・ステイサム)も役に立たない。しかし世界は核の危機にさらされている。誰かがこの問題を解決しなければらなかった。

そんな時、元々は現場志望であったが今や小太りのデスクワーカーとなっていたスーザンが思い切って立候補する。
かくして、世界の危機は一人のおばさんに託された…。

・私の評価

まず、最初にこの映画はスパイ映画の金字塔である「007」シリーズをかなり意識した構成という事。

オープニングロール時、妖艶なブルース調の曲にのせスパイがスタイリッシュにアクションを振るう影の映像、スパイ専用の秘密武具などの登場場面など、様々な点で「007」を意識(というかパクリ!?)したであろう場面が出てきます。

かなりハードなアクションシーンやシリアスな展開がありつつも、実は全体的には完全なるコメディー映画。

よく日本人と海外(特に西洋圏)とは笑う「ツボ」が違うので、「アメリカン・ジョークはちょっと…」と評される事もありますが、この作品は違います。

そう、かなり楽しい「キテル(笑える)」映画、そしてアクションも素晴らしい映画なのです!!

アブラの載った超イケメンエージェントのファイン(ジュード・ロウ)はジェームズ・ボンドばりにスーツを着こなし、次々とスタイリッシュに敵をなぎ倒す。失敗とは無縁とも思える完璧な存在で、もちろん女性の扱いにも長けているヤサ男(キザ過ぎるが嫌味に見えないところも◎)。

「トランスポーター」シリーズやその他のアクション映画で寡黙なヒーローを演じているジェイソン・ステイサムが間抜けな筋肉バカエージェントを演じているところも笑えて憎めないキャラですね。

そして特筆すべきは主人公であるメリッサ・マッカーシー演じるスーザン。おデブでありながらも華麗なアクションをこなし(しかも慌てながら)、次第に強いハートを持っていく彼女の様子は、ストーリーが進むにつれて観る者をのめりこませます。

この「メリッサ・マッカーシー」なる女優。

私は初めて知ったのですが、アメリカでは有名なコメディ俳優との事。2014年(アメリカでは2013年公開)には、映画「スピード」シリーズでお馴じみのサンドラ・ブロックと共演した「デンジャラス・バディ」で日本でも一躍有名になったとか。

この「SPY / スパイ」一本でファンになってしまったのですが、私の中では映画「ミザリー」「ハリーズ・ロー裏通り法律事務所(米ドラマシリーズ)」のキャシー・ベイツや映画「天使にラブソングを」のウーピー・ゴールドバーグに並ぶ素晴らしい女優という印象を受けました。

また、スーザンの同僚で悪友で親友でもあるナンシー(ミランダ・ハート)が、(内勤で現場経験が無いにも関わらず)命がけでスーザンを助けに来るシーンも涙をそそるものがありました。

「SPY / スパイ」という映画は、単なるアクション・コメディーではなく友情や愛情にも溢れた佳作だと思います。

久しぶりに「また観たい」と思える作品に出合いました♪