配 給:20世紀フォックス

監 督:スティーヴン・スピルバーグ

出演者:
トム・クルーズ
コリン・ファレル
サマンサ・モートン

公開日:2002年6月17日(米国)2002年12月7日(日本)

個人的評価★★★★☆ (4.0)

・ストーリー

少し未来の話。

全米中で事件が蔓延する中、”プリコグ”と呼ばれる3人の予知能力者の力を利用して事件を予知し、未然に防ごうとする動きが始まる。

つまり、事件が起こる前に加害者(になるはずだった人物)を捕まえる事で事件を未然に防ぐのである。

「犯罪予防局」と呼ばれるこれら警察組織のチーフである刑事ジョン・アンダーソン(トム・クルーズ)は、チームを率いるトップとして積極的に容疑者(になるはずだった人物)を逮捕、西暦2054年にはワシントンD・Cにおける事件の発生率は驚異的な減少率となっていた。

これに加え、虹彩認証システム(目の虹彩(こうさい)を認識して個人認証するシステム)も社会全体で導入され、位置情報などを含めた個人情報が完全に管理された世界。

もはや「悪いことをする」事を考える事自体、無謀でリスクの大きい社会となっていたのである。

…そんなある日、”プリコグ”が新たな事件を予知する。

早速事件のプロファイリングを始めるジョン。そこで「加害者」として映っていたのは…ジョン・アンダーソン、彼自身だったのである。

被害者(となるはずの人物)は、ジョン自身全く面識のない人物。

自分自身が加害者となる動機が全く分からないジョンは署から逃走、戸惑いながらも身の潔白の証拠と真犯人を探し出そうと奔走する…。

・私の評価

この映画、最初私は単なる「近未来もののSF作品」程度の感覚で観たのですが…。

見事に裏切られました(もちろんイイ意味で)。

物語冒頭から登場する宇宙船のような警察車両(?)、タイヤもなく垂直にも移動する自動車、ジェットパックで空も飛べる捜査官など、確かに「近未来SF映画」だなぁ~と思える部分もありますが。

…それはあくまで時代背景を考慮したもの。

この作品が真に訴えかけたい事は、「社会の安全を突き詰めたら、あらぬ方向に突き進みかねない」という事、そして「あらゆる事象には何らかの利害関係がある」事だと思います。

…つまり「様々なIT化は多大な社会的恩恵を受ける可能性があるが、その基盤を作り出すのは所詮人間であり、人間はプライドの高い卑しい生き物」という事。

この作品、SF的要素(CGや設定など)が凄いだけではなく「家族愛」や「人間の卑しさ」「未来社会への問題喚起」など、様々なテーマを持つ映画と感じました。

…今回は、このブログを訪れて下さった皆さんへこの作品を是非観て戴きたい意味で、極力ネタばれを回避して感想を書こうと思ったら、かなり支離滅裂なレビューとなってしまいました(汗) スミマセンです…m(_ _)m

…しかしながら、スティーヴン・スピルバーグの多才さにはいつも脱帽です(汗)